パステルってクレヨンのおしゃれな呼び方じゃないんです。
顔料としては同じものですが、固め方が違うことで呼び名も違います。
・パステルってどんな画材?
・パステルの種類はどんな物があるの?
・おすすめのパステルは?
この記事では以下の3つについて書いています。
・クレヨンとの違い
・パステルの種類
・パステルの他に必要なもの
私は絵を描かないので知らなかったことも多いですが、子どもと過ごす中で調べたり触れたりしたことを元に記事を書いています。
調べずに画材を買って失敗したと思ったこともあるので、調べるようになりました。
パステル画の優しい感じを描きたいなら、ソフトパステルが良いですね。
定着液を使う関係もあり、お子さんの年令によって親がサポートしたり、一緒に楽しむことが望ましいと思います。
パステルって何?クレヨンとの違い
パステルとは、粉末の顔料を結合剤で固めたものです。
粉っぽく、紙にあまり定着しません。
紙の上で混色でき、グラデーションやぼかしに向いています。
線画にはあまり向きません。
描いたら定着液で定着させる必要があります。
クレヨンとの違いはなにか
クレヨンは本来、粉末の顔料をワックスで練って固めたもの。
結合剤か、ワックスかということがパステルとクレヨンの違いでした。
海外では今も顔料とワックスタイプのクレヨンが主流ですが、日本製のクレヨンは現在、体質顔料、液体油も混ぜてより滑らかに描けるように作られています。
これはクレパスの原料とも同じで、クレパスは分類上「オイルパステル」にあたります。
各社含有する比率も違うので一概には言えませんが、日本製の物に限って言えば、オイルパステルとクレヨンの描き心地は似ていると思います。
クレヨンは線画向きの画材であると言われています。
クレパスって色鉛筆でもクレヨンでもないんだね。
パステルなんだ。
そう、世界で初めてサクラが開発した画材なんだって。
クレパスと聞くとパステルが急に身近になるね。
パステルの種類
パステルを使ってみたい、以前一度使ったことがあると買ってみたら「思ってたのと違う!」ということがあるようです。
パステルには大きく5種類あって、物によっては見た目も大きく違います。
描き心地や使い方も変わってきます。
パステルを調べていて気になったのは、安全性が高い顔料、無害という記載です。
子どもが使うときには特に気になるところです。
こう書いてあるということは、そうではない製品もあるのではないのかと心配になりました。
調べてみると、有害な画材は珍しく無いようで絵の具にも含まれている物があります。
安全性を担保する記載があるか、確認できればAPマーク(「急性あるい は健康障害を起こす危険性がないもの」として認められた製品に表示)も判断基準になるでしょう。
逆にCLマークや赤背景に黒で✗印のマークは有害性がある時のマークなのでご注意ください。
ソフトパステル
少ない結合剤で作られたやわらかい棒状のパステルです。
色の伸びが良く、ぼかしなどもしやすいです。
指で砕けるほどやわらかく、取り扱いには注意が必要です。
発色が鮮やかです。
優しいイメージのパステル画は、ソフトパステルを使用していることが多いです。
一本一本が短い、ミニのタイプです。
ファーバーカステル、安全性が高い顔料を使用しています。
24色セット、最初に試してみようという方に良いのではないでしょうか。
品質にこだわるならロイヤルターレンス レンブラント ソフトパステル。
オランダのロイヤルターレンスが誇る、最高品質のパステルです。
高い安全性、強い発色性と適度なやわらかさ。
有害物質を含まない旨の記載があります。
パステルは手に持って描くので、皮膚や指から口に入った時のことを考慮して有害な物質を使っていないそうです。
子どもが使うことを考えると、安心できます。
ハードパステル
結合剤を多めに使い、硬いパステルです。
四角柱の形をしたものが多いです。
カッターなどで削り、粉にしても使用可能。
箱にAPマークが確認できます。
とても有名なハードパステルです。
オイルパステル
オイル成分を多く含んだパステルで、前述した通り、日本製のクレヨンとも似ています。
油絵のように深みと光沢があり、他のパステルにはない定着力があります。
クレパスもオイルパステルに分類されます。
クレパスとクレヨンの良さを併せ持つのがオイルパステルです。
クレヨンよりもやわらかいので、面描も可能です。
安全性の高い顔料を使用した、ファーバーカステルのオイルパステルです。
折れにくく、子どもにも使いやすいです。
適度な硬さと、鮮やかな発色。
サクラクレパスは日本で一番有名なオイルパステルではないでしょうか。
パステルの発色とクレヨンの定着、両方の良さを目指してサクラが世界で初めて開発したのがクレパスです。
下描きのためではなく、絵として完成させるためのポテンシャルを持つ画材です。
油絵のように厚く盛り上げることもできます。
パンパステル
パンパステルは高品質な顔料を、少しの固着剤を加えて固めたものです。
そのため、他のパステルに比べて高価。
ケースに入った鮮やかな色は、化粧品にも似ています。
スポンジなどの道具を使って塗っていきます。
粉っぽさのないドライタイプの色剤です。
パンパステルは、絵の具のように色を取り、画面にのせ、調整できるように考案されています。
今までのスティックタイプのパステルではできなかった表現ができます。
パステル鉛筆
色鉛筆の芯がパステルでできています。
普通の色鉛筆より粉っぽいです。
スティックタイプのパステルと違って手が汚れない、細かいところが描きやすいという利点があります。
独特の細かいチョークの質感があり、やわらかく美しい着色です。
詳細な図面、肖像画、自然を表現するのに最適です。
水溶性なので、水で溶かして水彩のように使うこともできます。
他にパステルで必要な道具、セミハードも
パステルに必要な道具と、ソフトパステルとハードパステルの間の、セミハードもこちらで紹介します。
セミハードパステル
やわらかさもあり、程よい硬さもあるので初心者に使いやすいパステルです。
ホルベインが代表的です。
広田 稔先生が描いたパステル画がパッケージです。
柔らかさに満ちた優雅な絵が描け、淡い色調や線描で描くことができます。
ソフトパステルやパンパステルでははっきりと有害物質は含まない旨をHPで明記していたのですが、セミハードでは確認できませんでした。
15色、25色、40色、60色のセットがあります。
定着液
パステルは粉っぽいので、絵を保存しておくために定着液が必要になります。
匂いが強いので、換気して使用しましょう。
ドライパステルとオイルパステルとでは定着液が違うのでご注意ください。
パンパステル用もありました。
ぼかし網
パステルを粉にするのに使います。
100均の茶こしでも代用できると思います。
擦筆
こすってぼかしたり、濃淡をなじませたりするために使うのが擦筆です。
綿棒でも代用できます。
紙製のものとスポンジ製のものがあります。
デッサンやクロッキーにも使用されます。
パンパステル スポンジ
パンパステルはスポンジで塗りますので、このようなスポンジが必要です。
化粧用スポンジよりも弾力が強く、伸びが良いです。
紙
紙は厚めのものが良いようです。
パステル用の紙もあります。
パステルは紙の目の影響を受けやすいです。
どんな絵にしたいかで、パステル紙でなくても選ぶのが良いのではないでしょうか。
何かいっぱい物が必要?
始めるのにお金かかりそう…
DAISOにも18色のパステルが売っているよ。
それを使ってみて、もっとこういう風に描きたい、みたいなことが出てきたら色々揃えていくというものありだよね。
安全性を気にするなら、ホルベインのソフトパステルみたいにはっきり書かれている物が信頼できるのかな。
この辺は自分である程度気をつけられる年齢かどうかも関係しそう。
まとめ パステルの楽しみ方
パステルはぼかしが得意な画材で、やわらかな絵を描くことができます。
パステルアートはストレス軽減を目的としたアートセラピーとしても注目されています。
パステルアートはソフトパステルやハードパステルを削って粉にして、指やコットンで描きます。
その時の気持ちで色を選び、うまく描こうとせずに楽しむものです。
ハッキリした形を作りたい時は、テンプレートを使用します。
パステルは練り消しでハイライトを容易に入れられるのも良いですね。
絵の好きな子は日常のお絵描きの道具として、普段あまり使わない人は自由研究の絵の画材として、ストレスの溜まった時のアートセラピーなど、活躍の場が多い画材であると思います。
参考URL
・SAKURA PRESS コラムクレパス®・クレヨンはどう違う
「コラム」クレパス®・クレヨンはどう違う|SAKURA PRESS|株式会社サクラクレパス (craypas.co.jp)
参考文献
・わかる! 選べる! 使える! 画材BOOK 磯野キャビア著 玄光社(2020) P62,63
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