デジタルイラストを描くにあたり、初心者にとって「板タブ」は重要なアイテムのひとつです。
iPadや液タブに比べて、安価であることからパソコンさえあれば選択肢となるでしょう。
デジタルイラストを描く人は、今板タブを使用していなくても、以前板タブを使用していた人は多いです。
・板タブは難しいのでは?
・初心者にちょうど良い板タブはどれなのか?
・板タブにはどんな違いがあるのか?
という方に参考にしていただきたい記事です。
結論から言うと、案外難しくないんじゃない、という話。
板タブは液晶がない分、物の扱いがまだちょっと雑になってしまうお子さんの使用にも安心です。
初期費用を抑えられ、寿命も長めであるのが親としては嬉しいポイント。
板タブのメリット・デメリット
板タブとは、ペンを使ってデジタルデバイス上にイラストや文字を入力するためのツールです。
画面のない板に向かってペンで描きます。
見るところはパソコンの画面なので、描くところと見るところが違います。
板タブのメリット
・絵を描く物に画面がなく、画面との距離が保てるので、iPad、液タブより目に優しい。
・姿勢良く描ける。
・ipad、液タブと比較すると安価。
・絵に手がかぶることがなく、全体像を把握しやすい。
両方を使ったことがある人で、手のかぶりは気にならない人はまったく気にならないと言うのですが、絵に手がかぶらないのが良いというのが板タブ派の声として強いです。
板タブのデメリット
・パソコン(もしくは他にデジタルデバイス)が必要。
・描くところと見るところが違うなど、慣れるまでに時間がかかる。
・直感的に描くことは難しい。
デメリットを見ていると少し不安になりますね。
板タブをちょっとだけ体験してみた
え、板タブってこの間お店で試したやつでしょ?
一緒に展示してあった液タブより使いやすかったよ!
それ、どう使いやすかったか言語化できない?
え…無理。
最初はちょっと使いにくかったけど、慣れたら使いやすかったよ。
要はペンがマウスでしょ?
子どもが店頭のお試しで液タブを先に使ってみて、板タブを使ったんです。
液タブのほうが使いやすい、となるかと思ったのですが、意外にも「板タブの方が使いやすい」と。
お絵かきソフトは同じ物でした。
何が使いにくく感じて、何を使いやすく感じたのか聞いてみたのですが感覚的なことでよく分からないとのこと。
横で子どもが使うところを見ていて思ったのは、手元を見るよりもモニターを見ることで「ペンはマウス」「これはパソコン」という感覚になり、そこから「何を描くか」ではなく「何ができるのか」という感覚に切り替わったのかな、という印象を持ちました。
あくまで、ひとりの体験談ですし、物が違えば反応も変わると思いますが参考までに。
板タブを選ぶ時に何を基準にするか
一般的な選ぶ基準や、お子さんに買う親御さんなら気になるだろうところを確認していきましょう。
理想に近いものを探していきたいですね。
接続デバイス
板タブを選ぶ基準として、使用可能なデジタルデバイスを確認しておきましょう。
・パソコン(OSは何か)
・携帯(iPhoneかAndroidか)
・タブレット(iPadかAndroidかなどOSを確認)
パソコンだけでなく、携帯やタブレットでも接続可能な機種もあります。
OSによって使えないものもあるので注意が必要です。
お手持ちのデジタルデバイスで使えるなら購入を検討しても良いという方や、移動して描くことも検討できる、という方もいるのではないでしょうか。
筆圧感知や傾き検知の感度は良いか
滑らかに筆圧感知や傾き検知を表現できるのか、というのが思い通りの線を描く上で大事な要素です。
・筆圧感知…筆圧の強弱で線の太さが変わります。
・傾き検知…広範囲に色を塗りたい時に鉛筆を寝かせて塗るような感覚を、できる機能です。
鉛筆を傾けて描くと、太く描ける代わりに線はぼんやりする、あの感じです。
筆圧感知は各機種何レベル、と明記があります。
傾き検知に関しては、使わないという方もいるようです。
あるとデッサンのような表現はしやすいです。
遅延がないか
紙に鉛筆で描くわけではないので、描いて線が出るまで若干のタイムラグがあります。
ほとんど感じないものもあると思います。
違和感は少ないほうがお絵描きに専念できますね。
ペンタブのサイズ
すごく小さいものをずっと使っている、という方もいらっしゃいます。
持ち歩いて外でお絵かきされるのかにもよりますが、小さすぎるものは描いた時に違和感につながることもあるようです。
どのように使いたいかの影響はありますが、画面の大きさに近いほうが違和感は少ないです。
描き心地
サラサラ描けるのが良いか、ザラザラ系が良いか、描き心地は好みによりますが気にされる方が多いです。
描く時のペンタブの上をペンが走る音が気になるという方も。
ザラザラ系だとペン先の減りが早いです。
好きな描き心地も大事にしたい。
アナログお絵かきの時、どんな紙に描くのが好きかもヒントになるかもしれませんね。
ある程度有名なものであるか(特に機械が苦手な人)
設定や使い方で何かわからないことが合った時、マイナーな物だと情報が少ないでしょう。
ある程度知名度のあるものであれば、ネット上にたくさん情報がありますから、見て解決できる可能性が上がります。
こうやって設定するんだよ、と親切に説明してくれている人がきっといます。
困ったら検索してみてください。
有名メーカーだと、Wacom、XP-Penですね、次点はHUIONかな。
ファンクションキー
機種にもよるのですが、板タブ本体にファンクションキーという物理ボタンが付いているものがあります。
ペンにもボタンがついています。
これはカスタマイズが可能で、自分で設定して割り当てた機能を、そのボタンを押すことで実行できるようになるものです。
左手デバイスという、同じような操作を別のデバイスで実行可能になる製品もあります。
本体にファンクションキーがついているのが便利で良いという意見。
思わぬ時に触ってしまって嫌だから、本体にはない方が良いという意見もあるようです。
ファンクションキーがあると、慣れてきた時に効率化でき、時短に繋がります。
どっちが良いのかなぁ。
どっちも格好良い!
おすすめの板タブ4選
「初心者が使う」ことを前提に、おすすめの板タブを選びました。
結果的にWacomとXP-Penだけになってしまいましたが、他メーカーも比較検討はしました。
その結果の4選です。
XP-Pen Deco 01 V2 ペンタブレット
Andoroid対応のスマートフォン、タブレットに接続できること、付属品が充実していることが魅力。
この価格帯で、開封時に1番テンションを上げてくれる製品ではないでしょうか。
初めての板タブに最適。
Chrome OSでも使用できます。
ペン | バッテリーレス・スタイラスペン |
本体カラー | ブラック、ピンク、グリーン |
読み取り範囲 | 10インチ×6.25インチ |
筆圧感知 | 8192レベル |
傾き検知 | 60°まで |
接続 | USB |
ファンクションキー | 8個 |
対応OS | Windows11/10/8/7、 Mac OS X®10.10以降、Chrome OS 88、Android6.0以降。 |
同梱(付属品) | ペンタブレット本体、充電不要ペンP05、二本指グローブ、ペンのスタンド、クイックガイド、替え芯(8)、USBケーブル、保護フィルム、OTG変換アダプタ(1 x USB to USB-TypeC、1 x USB to Micro USB) |
【XP-PEN】 公式ストア
公式ストア購入特典もあります。
Wacom One by wacom
ツートンカラーがスタイリッシュ。
日本製という安心感。
付属品は多くありませんが、CLIP STUDIO PAINT PRO 3ヵ月ライセンス (Win / macOS / Chromebook から、いずれか1台で使用可能)がついてきます。
Amazonから購入すると、アマゾン限定のオリジナル特典(CLIP STUDIO用カスタムブラシデータ)付き。
ペン | バッテリーレス・スタイラスペン |
本体カラー | フロント-ブラック、バック-レッド |
読み取り範囲 | Small 152mm×95mm Medium 216mm×135mm |
筆圧感知 | 2048レベル |
傾き検知 | なし |
接続 | USB |
ファンクションキー | 本体にはなし、ペンに2個 |
対応OS | Windows® 7 以降、Mac OS X 10.10以降、Chrome OS 87 以降 (カーネル 4.4 以降が必要です) |
同梱(付属品) | One By Wacom、USBケーブル (Micro USB – USB-A)、標準芯3本、芯抜き、クイックスタートガイド、レギュレーションシート |
XP-Pen Deco Pro sw/mw
こちらはiPhone、iPadで使えるのが特徴。
Deco Pro SW/MWは、ibisPaint iOSバージョン9.1.0以降にのみ対応しています(iOS11.0以降)。
初級者からプロまで。
Androidで使える物は他にありますが、iPhoneでお絵かきしたい人はこれですね。
ペン | バッテリーフリー・スタイラスペン |
本体カラー | 黒(一部シルバー) |
読み取り範囲 | sw 9インチ×5インチ mw 11インチ×6インチ |
筆圧感知 | 8192レベル |
傾き検知 | 60° |
接続 | Bluetooth v5.0 |
ファンクションキー | 8個とデュアルホイール(1) |
対応OS | Windows 7/8/10、Mac OS X10.10 (以降)、Android 6.0 (以降)、Chrome OS 88 (以降)*、Linux |
同梱(付属品) | Deco Proペンタブレット、バッテリーフリースタイラスペン、替え芯(10)、ペンホルダー、USBケーブル (USB-C – USB-C)、USBケーブル (USB-A – USB-C)、Bluetoothレシーバー、USB – micro USBアダプター、クイックガイド、2本指グローブ、保証書、クイックガイド (Androidデバイス用) |
【XP-PEN】 公式ストア
公式ストア購入特典もあります。
Wacom Intuos
初心者向け板タブ。
Android OS(6.0以降)搭載のスマートフォンやタブレットで使えます。
ペン | バッテリーレス・スタイラスペン |
本体カラー | ブラック、ピスタチオグリーン、ベリーピンク |
読み取り範囲 | Small 152mm×95mm Medium 216mm×135mm |
筆圧感知 | 4096 |
傾き検知 | なし |
接続 | 2種類あります。 USB接続のものと 、Bluetooth(2.1以上)のもの。 どちらにするかとサイズで価格が変わります。 |
ファンクションキー | 4個 |
対応OS | Windows・Macはもちろん、Andoroid・ Chromebook にも対応。 ※対応OSは、バージョンによって異なります。 購入時はよくご確認ください。 |
同梱(付属品) | Wacom Intuosペンタブレット Small/Medium、ワイヤレス/ベーシックモデル、Wacom Pen 4K(バッテリーレスの筆圧感知ペン)、USB-Aケーブル(PVC非含有、L字型コネクタ、ケーブルバンド付き)、替え芯3本(標準芯、ペン内部に同梱)、芯抜き(ペン後ろ側に搭載)、クイックスタートガイド、レギュレーションシート、保証書、ユーザーヘルプと重要な製品情報(Wacom Desktop Centerからアクセス) |
これこの間お店で試したやつだよね?
そうそう。使いやすいって言ったやつね。
かわいい色もあるし、良かったよね。
今なら限定パッケージで、Bluetooth接続のSmallがAmazonで1万円を切ります。
人気のお絵かきソフト、CLIP STUDIO PAINT PROライセンス(PCのOSによって期間が異なります)もついています。
まとめ:板タブという選択肢
携帯やタブレットに接続できるものが増えています。
パソコン環境になくても、板タブは充分選択肢であると感じました。
実際使うのに使いやすいデバイスに接続できるものを、ということで検討されるのが良いのではないでしょうか。
初めて使われるのでしたら、エントリーモデル、初級者~向けがおすすめです。
今後本格的にデジタルイラストをやっていこうという方は、プロ向けを検討されても良いかも。
今の小学生は、コロナの影響でタブレット学習の導入が一気に進み、デジタルデバイスに慣れています。
板タブは慣れるまで根気が必要で大変なのではと思っていたのですが、デジタルデバイスに慣れていることにより案外早く慣れるかも、と思います。
デジタルイラスト導入の初期費用で躊躇されている方に、思ったよりハードルが低い、と思ってもらえたら幸いです。
ぜひお子さんと一緒に検討してみてください!
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